なんと、前回のブログから、ゆうに1ヶ月経ってしまっている。
読んでくださっている方々も、いったいどうなっているの?と思ってらっしゃる(?)と考えて、再度工房がテーマである。
乳清タンパクは、次回、必ず書くことにする。
(大丈夫かな???)
初めの1週間は、機械と乳酸菌との格闘。
フランスで作っていたのとほぼ同じ製造方法だが、原乳が違い、1日の配乳回数が違い、殺菌工程が入るという差。
一応試作品製造の段階で、原乳の差(牛とヤギ)はわかっていたので、あとは、東京の牛乳がどんなものかで対応すれば良いと考えたのだが・・・
殺菌で手こずった。
やったことがなく、機械も初めて使うとなると、試行錯誤もいいとこである。
1回目は、かなり時間がかかったが、なんとかいい状態のカイエができた。
しかし、その後が問題だったのである。
記念すべき第1作目。カイエの状態もよし、だったのに・・・ 左側の袋が、水切り用の袋。 |
フロマージュ・ブロンを作るのに、専用の袋があるのだが、これに何かの臭いが付いていて、せっかく作ったF.Bについてしまったのである。
化学物質的な臭いで、F.B全滅。結局廃棄・・・
幸い、フロマージュ・ドーメは無事。
無事でした。 |
2回目の商品は、カイエの状態に納得がいかない。
乳酸菌の状態が良くなかったのか?
できた商品は、満足しないが、まずまず。
(現在熟成中だが、思ったより状態が良い。うまくいきそうだ)
3回目が悲劇。
乳酸菌投入後、pHが下がりすぎ、一応凝乳酵素を入れてみたが、全滅。
これには、泣きましたね。
原因は、殺菌の後に牛乳をよく冷やさなかったから。
乳酸菌が増えすぎて、pHが下がりすぎたせいだ。
幸い、大生機設のおかげで改良ができて、うまく冷えるようになった。
そのあとは、うまくいっている。
現在は、なんとか時間割ができ、自由になる時間も取れそうだ。
筆者のチーズは、lactique dominant(ラクティック・ドミノン:乳酸菌優位法)なので、pHを下げるのに時間がかかる。
Brie de Melunは乳酸発酵に18時間かけるが、筆者のチーズも同じように18〜20時間必要だ。このところ、朝工房に行くと、室温が14℃なので、どうすればいいのか、考え中。(青梅は寒い!)
エアコンで室温を18℃まで上げることは可能だが、pHが下がりすぎると怖いので、できない。3回目の失敗は、そのせいだからだ。
下がらない場合は、時間がかかるが、少し温めて下げるようにしている。
乳酸菌は、こちらの思うように働かないのである。
しかし、乳酸菌の言葉が少しずつ聞こえるようになってきた(ような気がする)。
自然に、Geoが生えてきた。 まだpHが上がりきっていない。リネンスがくるまで時間がかかりそう。 |
原乳である、東京の牛乳は、素晴らしい。
脂肪分が高すぎるきらいはあるが、チーズを作るのに、まったく遜色がない。
筆者は、少しécrémé(エクレメ:脱脂)している。
というのは、そのままだと、熟成に影響が出るし、味がくどくなる。
1回目に作ったF.Bは、脂肪のざらつき感があったが、écréméしてから口当たりが良くなった。
フロマージュ・ブラン 500gと150g。 両方ともナチュール(プレーン)。カンパーニュタイプなので、つぶつぶがある。 |
熟成庫の容量があまり無いので、ちょっと頭がいたい。
11月7日、8日と、来日していたMOFのロドルフ・ル ムニエ氏の通訳の仕事が入り、その週は製造を1回にして調整したのだが、うまくいかない。
少し違うタイプも作ってみようとして、熟成庫がいっぱいになりつつあるのも事実。
なんとかするしかない。
ここで、一つお知らせ。
見学希望の方へ。
Porte Ouverteという、一般公開を考えていたのだが、毎日何かしら作業があるので、無理そうである。そこで、工房のチーズ販売時間である、水、金、日の午後1時〜5時なら、予約していただければ、見学できるようにしたい。
(申し訳ないが、食品製造なので、お子様は不可)
予約は、このブログでも、Facebookページのメッセージでも、HPのメッセージでも構わない。工房に電話でもいい。
表札。 |
何人かの方から問い合わせがあったが、こちらが忙しくてご希望に添えなかった。
なんとか、作業の時間割ができたので、見学解禁である。
また、製造の講習は、来年になってから行う予定である。
乞うご期待!