2013年9月19日木曜日

アリゴとは? 2

今日は、中秋の名月との事。
うちのベランダからも、黄色がかった、それこそ「盆のような」月がにょっぽり出ていた。そういえば、今日の新聞に「秋の夜 お月見しながら ”フロマージュ”」って、一面広告が出ていたっけ。でも、まだ、完全なまん丸じゃないそうな。

閑話休題。

一昨日のアリゴの続き。
うちでアリゴを作るために、作り方を調べたら、本(フランスの料理本とチーズの本)で4つ、インターネットで3つ見つけた。
ほぼ作り方は同じ。
ただ、アリゴはもともとオーブラックの郷土料理だから、aveyron.com の作り方を尊重する事にした。
材料は、ジャガイモ、トム・フレッシュ、生クリーム(フランスだとクレーム・フレッシュという発酵クリームを使う)、ニンニク、塩、こしょう。
料理本だと、バターを入れているところもある。チーズを加えるから、いらないと思うが、こってりさせたければ、加えてもいいだろう。

さて、問題は、チーズである。
オーブラックは、前にも書いたように、ライオールの産地である。と云う事は、トム・フレッシュは、必然的にライオールのトム・フレッシュという事になるが、これは手に入れるのが難しい。料理本の中には、カンタルのトムでもよいと書いてあるのも見かけたが、カンタルは、少し地域がずれている。
ウィキペディアでは、アリゴは、20世紀後半にオーヴェルニュ全体からパリにまで広がったとあるから、カンタルのトム・フレッシュを使ってもよいのかもしれない。
しかし、ライオールの原乳は、オーブラック牛か、シメンタル・フランセーズ(コンテもこの牛乳を使ってよい)と決まっているから、このほうが本式だろう。
しかし日本では、手に入らないと考えた方がよい。
そこで、代替え品になってしまうが、ステッペン(ドイツ・モザレラともいう)はどうかと考える。ピザ用によく使われるから、糸引きはよいはず。
ジャガイモも、aveyron.com では、フリットによく使うというbintje という種類のジャガイモを使う事になっている。男爵より、メークインのほうがよいかもしれない。
クレーム・フレッシュはほぼ無理だが、サワークリームより生クリームがよいだろう。

そんなこんなで、後は実行あるのみ。
ステッペンが手に入らなければ、また考える事にしよう。
計画実行は、明日か、明後日。
どうなる事やら・・・

右側の白い塊がライオールのトム・フレッシュ

2013年9月17日火曜日

アリゴとは?

初めまして。
このブログでは、チーズに関するいろいろな事を発信していくつもりなのである。
チーズ料理、イヴェント、チーズに関する新商品、もちろんチーズのウンチクや、
製造方法などについても綴って行こうと思っている。
乞うご期待。

さて、9月になると、食べ物に関するいろいろな新商品が出て、なかなか面白い。
その中で、注目したのが、モスバーガーの「ドミグラスソース アリゴ添え」。
テレビでコマーシャルをしているが、「アリゴって何」「詳しくはお店で」なんてやっている。そこで、アリゴの説明をしてしまおうというわけだ。

「アリゴ(l'Aligot)」は、ほぼフランスの真ん中にある、オーヴェルニュという地方の郷土料理である。マッシュポテトと、この地方産のライオール(le laguiole)と云うチーズ—ちなみにこの地方で有名なナイフは、同じ綴りだが、ラギョールと発音する—の熟成していない若い物を練り合わせて、餅みたいにしたもの。
私も5月にフランスのオーヴェルニュ、クレルモンフェランで食べた。
この写真は、そのときの物である。


もちもちしているが、とろとろではない。
お餅に似ているが、少しつぶつぶも入っている。しかし結構のびるのだ。
味は、割に淡白だが、付け合わせ(アリゴの方が付け合わせか?)のソーセージの味が濃いので、ちょうど良いあんばいだった。
ただ、クレルモンフェランの市場では、既に造った物をパックで売っている。
おそらく、このレストランで出てきた物もそうだろうと推測した。
と云うのは、ずいぶん前だが、パリの農業祭で、できたてを食べたときは、もう少し風味がよかったからである。

モスバーガーのドミグラスソースアリゴ添えは食べていないが、食感がやさしいので、存外いけるかもしれない。
そう思ったら、何だか作ってみたくなった。
ライオールのトム・フレッシュ(トムはチーズの意)は、簡単に手に入らないから、どうしようか・・・
次回は、アリゴの工程奮戦記になるやも・・・