本年も、チーズ A to Z をよろしくお願いいたします。
ドーメからもおめでとう! |
さて、2015年が始まった。
工房を稼働させてから、3ヶ月目に入り、なんとかうまく回っているようだ。
そこで、2014年を少し振り返ってみると、こんな感じである。
11月中は、カイエとの格闘。
試作品を作っていた時使用したのは、市販のホモタイプの低温殺菌牛乳だった。
タンクローリーで運んでもらう無殺菌の搾りたて牛乳を原料にすると、試作品でうまくいったことが通用しない。
差が大きすぎるのだ。
まず、pHが違う。
市販の牛乳は、絞ってから時間が経っているし、流通時の管理もわからない。
ローリーで運んでくる牛乳は、pHが高いが、市販の牛乳はやや低い。
だから、逆に少し戸惑った感がある。
次に、ノンホモなので、écrémé(脱脂)しないと、MGが高くなりすぎる。
市販の牛乳は、ホモ化してあるので、そのまま使うしかないが、工房で使っている牛乳は、脱脂することができる。
一番初めに脱脂しないで作ってみたが、やはりFromage blancの口当たりが良くない。
現在は、少し脱脂することで落ち着いている。
型の中で反転。 |
培養したLevain(チーズ種)も全然違う。
試作品の時は、低温殺菌牛乳になるべくフレッシュに近いチーズを混ぜて作っていたのだが、無殺菌の原乳を培養して作るものは、においも違うし、状態も違う。
活動状態もやや違っていたが、やっと落ち着いてきた。
違うことだらけの中で、なんとかうまくカイエを作れるようになったのが、11月末くらい。現在は、なんとか、いつも同じようなカイエができるようになった。
カイエのpHがいいと、こんな風に、ひび割れができる。 |
カイエにかかりきりになったせいで、11月末から苦労したのが、熟成。
Geoが生えると、あっという間にドロドロになってしまうことが多かった。
これは、試作品の時もあったのだが、なんとも悲しい。
せっかくうまくいきそうで、期待していると、翌日にはドロドロ・・・
なんてことがあり、試作品を作っていた時の方法を考え直してみた。
筆者の工房には、乳酸菌が住みつき始めたらしいが、筆者に似て、過激。
おそらく morge の中にいる熟成菌も強いのだろう。
試作品の時は、においもあまり強くなかったのだが、今の morge は、かなりにおう。
味噌のような風味も、工房のドーメの方が強い。
熟成庫。左はmorgeしていないもの。 |
morgeしたドーメ。 |
アップ! |
試作品の時は、かなり頻繁に拭いていたが、これを少し変更。
また、morgeで拭くときに、試作品の時は刷毛を使っていたが、工房では手袋をした手で、文字通り、洗っていた。
それを刷毛に戻した。
湿度や温度も、考え直してみた。
チーズの量、熟成庫の広さも考え直した。
ドーメというチーズを、どんなチーズにしたいのかも、考え直した。
やっと、今、うまく回り出したところで、ホッとしている。
しかし、ドーメというチーズは、筆者そっくりである。
- 個性的。変わり者。
- 納得がいかないと、いうことを聞かない。
悔しい・・・
しかし、日本のチーズ、という感じになってきて、嬉しい。
日本酒には、ぴったり。
ワインだと、白のほうがいいかもしれない。
クラッカーより、お煎餅のほうが合うことも発見したから、今度はこれで日本酒かな。
Fromage d'Omé。真ん中が少しハゲている・・・ |
切ったところ。この子は、バランスが良く、美味しかった。 |
チーズ塾は、このドーメの作り方をベースにした講座である。
1月28日(木)の13:30から、2月1日(日)の11:30までとなっている。
5日間にしたのは、ラクティック・ドミノン( lactique dominant)の製法は、時間がかかるからだ。
概要を載せておこうか。
1月28日(水) 13:30~16:00 講義
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乳成分について
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凝固の違い
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チーズの種(Levain)について
16:00~17:00
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ラクティック・ドミノンチーズの試食会
1月29日(木) 9:00~11:00 実習
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凝乳酵素の投入(解説)
13:00~17:00 講義
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ラクティック・ドミノン製法のダイヤグラムの説明
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いろいろなラクティック・ドミノンチーズ
1月30日(金) 9:00~11:30 実習
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ルーシュを使った型入れ
(フロマージュ・ブランとサン・マルスランタイプを作ります)
13:00~17:00 講義
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ラクティック・ドミノン製法とその他の製法
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反転(実習)
1月31日(土) 9:00~11:30 実習
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型だし、塩つけ
13:00〜17:00 講義
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塩の役割
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熟成
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反転(実習)
2月1日(日) 9:00〜11:30
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試食会
費用は、テキスト代、材料費込みで、5日間で¥48600である。
申し込みは、Facebookのチーズ A to Z、フロマージュ・デュ・テロワールの問い合わせメール(http://www.fromagesduterroir.jp)、あるいは、電話でどうぞ。
気軽に問い合わせてくださって、結構である。
なんだか、宣伝になってしまったが、筆者は、多くの人にチーズを知ってもらいたいと思っている。また、チーズを作りたいという人の力になりたいと思っている。
今回は、第一回目。
二回目は、チーズ講座にする予定だ。
三回目は、またチーズ作り講座かな〜
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