2014年8月20日水曜日

チーズを切り分ける

チーズの切り方は、いろんな人がいろんな事を説明していると思う。
例えば、チーズプロフェショナル協会や、チーズ教室をしている方達など。
みんな、きれいに盛りつけていて、すごいなと思う。
筆者は、きれいに盛りつけたいけれど、チーズの原型がわかった方がいいと思っているので、結局、ゴロゴロにしてしまう。

この写真は、「Produits laitiers」から引用したもの。筆者が作るとこんな風に、ゴロゴロになる・・・
http://www.produits-laitiers.com/2011/03/22/comment-composer-plateau-de-fromages/

フランス時代は、貧乏留学生だったので、ほとんどレストランで食事をした事が無い。
いつも、パンとチーズとワインを買って、家で食べる生活。
たまに、地方にいく事があって、ホテル(高級ではない)に泊まった時はレストランで食べた事もあるが、チーズは自分で切って、お皿に取る事が多かった。

フランス人も、チーズを切る事に関しては無頓着で、ノルマンディーの学校で、カマンベールの試食時に、同級生は(フランス人だ!)、端から切って食べていた。
均等に切る人なんぞ、いない。
筆者がサントモールの端を切って、藁を引き抜いてから反対側を切ろうとしたら、何やってんの、と、怒られたな。

レストラン関係の人は、きちんとするのだろうが、どーでもいいとも思う。
だけど、皆が美味しく食べる、という意味では、きちんと切り分けた方がよい。

今回、筆者はあまりいい写真を持っていないので、「Produits laitiers」の「Comment découper les fromages?(どんな風に、チーズを切るの?)」の記事と
http://www.produits-laitiers.com/2011/11/23/comment-decouper-les-fromages/
「TechnoResto.Org」の「Le service des fromages au restaurant(レストランでのチーズサーヴィス)」http://technoresto.org/tp/ta_fromages_bep/ta_fp.html
のイラストを引用する。「TechnoResto.Org」は、チーズのレストランサーヴィスを書いているので、興味のある方は、どうぞ。チーズサーヴィスのワゴンの図もあった。

Facebook Pageのチーズ A to Zを見た方は、見覚えのある写真だろう。
元々は、「Produits laitiers」の写真のようだ。すごくいい写真だと思う。

これも同じ、「Produits laitiers」から。図形みたいで、面白い。

一番いい方法は、「外側(皮の部分)と内側(柔らかいところ)が均等になるように切り分ける事」である。
しかし、チーズの大きさ、形によって、少し変化する。
ヤギのチーズなんて、どう切るんだ?と思った事もある。
そこで、「Produits laitiers」では、このように提案している。

  • 小さいか、中くらいの大きさで、丸く平たい形(カマンベールやルブロションなど)あるいは、ハート型のもの(ヌシャテルなど):
真ん中と端の部分が等しくなるようにする。真ん中から均等に切るとよい。


  • 丸くて大きいもの(ブリなど):
小さいチーズと同じように三角に切って、それを二つに切る。横に2つに切るといい。


  • ピラミッド型(ヴァランセなど)や筒形(シャロレなど):
丸いチーズのように切り分けるが、薄くなるので、横にして盛りつける。

ヴァランセなど。

ガプロンなど。

  • 四角いもの(マロワルなど):
最初に対角線に切ってから、切り分ける。2の倍数に切る事ができる。

  • 薪形(サントモール・ド・トゥーレーヌなど):
最初の一切れを取り除いてから、均等に切り分ける。サントモール・ド・トゥーレーヌの場合は、チーズをうまく切るために、藁を取り除くとよい。
サントモール・ド・トゥーレーヌの場合、端を切って、藁を抜き、反対側から切るときれいに切れる。
藁ごと切ると、チーズが崩れる。

  • 大型のチーズを切ったもの(コンテ、サレール、モルビエなど):
真ん中の部分を切り分けていき、半分のところで皮が均等になるように切る。


チーズ屋さんだと、コンテなどは、こんな風に大きく切る事が多い。
プラトーにする時は、上の2つのイラストのように切ると、平等になる。

  • ブルーチーズ(ブルードーヴェルニュ、フルム・ダンベールなど):
ロックフォールの場合は、4等分にし、それを扇子状に切る。フルム・ダンベールのような形のものは、始めに上から円盤状に切り、それからカマンベールのように切り分ける。

フルム・ダンベールなどの切り方。

  • 流れる様に柔らかいチーズ(モンドールなど):
上の部分の表皮をナイフで取り除き、スプーンを添える。


  • 特に固いチーズ(ミモレット・エクストラ・ヴィエイユなど):
切るのではなく、砕いて提供する。

また、テット・ド・モアンヌは、ジロールで花びら状にして、提供する。

切り方は、ざっとこんな感じだが、そんなに難しいものではない。
ただ、実際に切ると、なかなかうまくいかなかったりするのだが。
チーズに合わせた器具を使うのが、一番いいと言える。

筆者が、仕事でチーズを切る時に、一番使っていたのが、クロタンナイフ、ギロチン、ワイヤー。
ギロチンは、場所を取るし、高さが決まっているので不便なところもあるが、すごく使いやすいのだ。
カマンベールやポン・レベークなどもこれで切れるし、チェダーも大丈夫。
何しろ、まっすぐ切れるので、きれいなのである。
皮のあるPPNCは、皮にクロタンナイフで切れ目を入れれば、ギロチンでOK。

ワイヤーは、フランスで、持ち手のあるものを売っている。
フランスで買う時に、何を切るのか聞かれたが、何を切りたいのかわからなかった筆者は、適当に2種類買った。
寸法もいろいろあって、大きいチーズだと長く、小さいものを切る時には短いものを使うのだ。これは、かなり仕事で役に立った。

オメガナイフはほとんど使わなかった。
ブリなどのホールは、包丁でないと無理だが、ポーションなら、ギロチンを使っていた。ギロチンの利点は、チーズがくっつかないので、切り口がきれいになること。
ただし、固いものを無理矢理切ろうとすると、ワイヤーが切れてぶっ飛ぶので、ご注意を。

パリの雑貨屋さんで買った、プラトー。ガラス製なので、恐くて使えない・・・
ナイフも付属のもの。別売りで、ネズミの形をしたのもあって、お土産にしたっけ。

先週は、お盆休みで少しのんびりできると思っていたが、ぎっちりアポが入り、毎日出かける体たらく。Facebookの友達が、あちこち遊びにいっているのをいいな〜と見ていた。工房の工事も始まっているので、ますますバタバタの日々が始まりそうである・・・

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