2014年4月4日金曜日

メゾン・デュ・コンテ(Maison du Comté)

コンテというチーズは、成功したチーズとして、フランスの生産者内で有名である。
早くからテレビコマーシャルを出し、品質を保つための努力をしてきたおかげで、AOPのチーズとしてフランスで消費量第一位。
輸出も多い。

そのコンテの産業統合部門(la filière)として、いくつか施設があるのだが、その中で主なのが、メゾン・デュ・コンテである。
コンテの品質管理や統計などから、販促まで行っている。
筆者は、ポリニーのENILに入学する前に1回、入学してから2回行っている。

メゾン・デュ・コンテ。ENILのすぐそば。

筆者が一人で行ったときは、こんな感じだった。

まず、受付で、入場料を払う。確か、4€だった。
その時にどこからきたのか、聞かれて、日本からと答えたら、英語で話しかけられたような気がする。

次に、ヴィデオは英語のほうがいいかと聞かれた。
20分ほどのヴィデオを見るのである。
フランス語がいいと答えた。
英語版もあるようなので、フランス語の苦手な方は、そちらにしてもらうといい。

見学の時間になると、入り口にある大きな地図をもとに、説明係によって、コンテの説明が始まる。
ポリニーの話、牛の話など、子供も見学にきていたので、解りやすく話していたようだ。

次に、ヴィデオ。
20分ほどなのだが、生産者のインタヴューや、原乳の話や、盛りだくさんだったのを覚えている。
後の同級生の父親が熟成師として有名だったらしく、ヴィデオに出ていた。
同級生は、チーズが嫌いで、筆者としては、なんでコンテの講座にいるのかよくわからなかったが・・・

昔のビドン。

それから、会場の見学が始まり、昔のビドン(le bidon:牛乳を入れる容器)、コンテのダミー、干し草などの展示を解説してくれる。
匂いの種類を示すような展示もある。
コンテの匂いを分類するのも一つの研究なのだ。

ダミー。熟成庫には、こんな風に、並んでいる。

匂いの説明。胡椒やら、蜂蜜やら、いろんな匂いがあった。

昔の器具や、コンテ用牛乳の経路のディオラマなどもあったな。
最後に、試食。
色々な熟成のコンテが3種類出た。
確か、6か月、13か月、18か月だったかな?

ここで試食をした。売店もあるぞ。

ここで、少し面白い事を発見。
筆者以外は、全員フランス人で、コンテを食べなれている人が多かったのだが、熟成の好みが、筆者とまるで違うのである。
フランス人は、13か月くらいの、フリュイテ(fruité)と呼ぶタイプが好きなようである。
筆者は、販売をしていたので、日本人の好みがだいたい解るが、日本人は、ヴューコンテ(Vieux Comté:18か月以上の熟成)すなわち、熟成の長い物を好む傾向がある。

そのときは、まだENIL入学前だったが、ENILに入ってからも面白い事があった。

メゾン・デュ・コンテの中に入っているのは、CIGCという機関なのだが、これは先ほど言ったように販促や作ったコンテに対する手助けをする所と考えていい。
コンテの製作に関しては、CTFCという機関があり、そこで失敗の原因究明や、品質向上のための研究をしたりする。また、技術者として、農家や工房を回る人もここに所属しているようである。

そこで、コンテを見て、味わって、何点取るかという講義を受けた事があった。
コンテ・エクストラとコンテ、そしてコンテとして販売できない物を分類するための講義である。
いくつか形や色や味を見て点数をつけたのだが、その中で、意見がまっぷたつに分かれた物があったのだ。
他の物は、だいたい点数のつき方が似ていたのに。

12点以下と18点以上という意見が分かれたこのコンテは、コンテ・エクストラになっただろうか?
否!
点数は、確か14点ギリギリだったような気がするが、説明してくれた先生の話によると、このコンテは、甘みが強すぎて、意見が分かれたので、最終的に単なるコンテ、茶色の帯のコンテになったというのだ。
要するに、味のバランスが悪いと判断されたのだろう。

筆者は、美味しいと思って、18点つけた。
でも、ぼろくそな点をつけていた同級生もいたから、やはり味覚というのは、色々なのだなと、改めて感じた。

筆者もチーズ造りを始めようとしているところ。
日本人好みにしようとは思わないのだが、どういう味にしたらいいのかなーと悩んでいる。
一つだけ、心に決めているのが、ここのチーズを作ろうという事だけである!

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