2013年11月14日木曜日

チーズの定義

今年は猛暑だったので、酷寒だという話だったが、あたっているようである。
昨日は、この冬一番の寒さという話で、12月の気温だと云う事だ。
こんなときは、鍋に日本酒といきたい。チーズフォンデュに白ワインでもいい。
とにかく、あったまるものが食べたくなる季節だ。
チーズフォンデュをする人が増えてきているようだが、出来合を温めて食す人がまだまだ多い。固いタイプのチーズのうち、パルミジャーノ・レッジャーノやミモレット以外のチーズ(プロセスチーズを除く)なら、ほとんど溶けるので、フォンデュの材料とする事ができる。高脂肪タイプ(サンタンドレやカプリス・デ・デューなど)は、油っぽくなるので、控えめに。

ところで、チーズとは何ぞや。
フランスの規定によると、以下のようである。(原文を載せておく)

定義(フランス)

   La dénomination « fromage » est réservée au produit fermenté ou non, affiné 
ou non, obtenu à partir des matières d‘origine exclusivement laitière 
suivantes :lait,lait partiellement ou totalement écrémé, crème, matière grasse,
babeurre,utilisées seules ou en mélange et coagulées en tout ou en partie 
avant égouttage ou après élimination partielle de la partie aqueuse.
  La teneur minimale en matière sèche du produit ainsi défini doit être de 23
grammes pour 100 grammes de fromage.



"Décret n° 2007-628 du 27 avril 2007 relatif aux fromages et spécialités fromagères"

翻訳すると、

 チーズとは、発酵させたか、あるいは発酵させていない、また、熟成させたか、あるいは熟成させていない、もっぱら以下の乳材料から得られる製品である:乳、部分脱脂乳あるいは完全脱脂乳、クリーム、脂肪性物質、それらを単独、あるいは混ぜ合わせて、完全にあるいは部分的に、脱水以前かあるいは水分を部分的に除いた後に凝固させたものである。このように規定された製品中の固形分は、最低100g中23gでなければならない。
"2007年4月27日、チーズとチーズ製造の専門知識に関する命令 No.628"

要するに、乳に関連する材料を凝固させて脱水し、固形分が100g中23g以上のものをチーズと規定するというわけである。熟成は、してもしなくてもいい。
この規定の盲点は、セロム(=ホエー)が原材料には一定ないことである。
2007年の規定なので、今では改訂されているかもしれないが、筆者はまだその情報は持っていない。

日本の規定は、というと、

vナチュラルチーズ
 
一 乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう。以下同じ。)若しくはクリームを乳酸菌で醗酵させ、又は乳、バターミルク若しくはクリームに酵素を加えてできた凝乳から乳清を除去し、固形状にしたもの又はこれらを熟成したもの
二 前号に掲げるもののほか、乳、バターミルク又はクリームを原料として、凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであつて、同号に掲げるものと同様の化学的、物理的及び官能的特性を有するもの
v  プロセスチーズ
  ナチュラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したもの
  « 「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」による乳製品の定義 »

である。乳等省令は、インターネットでも、小六法でも確認できるから、読んでみると面白いだろう。
日本とフランスの差に気がついた方も多いと思う。
日本の規定には、固形分の最低含有量の規定がない。
これを見ると、もうすこし、きちんとした法律が欲しいと思ってしまう。
これから、TPPによって、関税が廃止されたり、ヨーロッパからのチーズの輸入関税が下がったり、なくなったりする可能性が高い。チーズの規定をきちんとしておかないと、チーズと云えないものが、チーズとして販売されそうで、気になる。
今回は、ウンチクが多すぎた嫌いもあるが、チーズって、こんなものなのだ。

世界には、いろいろなチーズがあり、作り方も様々。分類方法も沢山ある。
次回は、そのお話にしよう。

ブラウンスイス牛

フランスのいろいろなヤギ
バスク地方で見た羊

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