2013年11月18日月曜日

製造方法によるナチュラルチーズの分類

hospitalityという言葉がある。フランス語では、hospitalité。
"もてなす"と云う意味である。
2020年の東京オリンピック誘致の際、"おもてなし"という言葉が使われて、今、流行っているようである。これを学ぼうという集まりが今度あって、参加予定。
どんな事を学ぶのか、楽しみである。
チーズもサーヴィスする場合、色々な方法があろう。日本だと、レストランなどで、きれいにサーヴィスされているようである。フランスだと、至極おおざっぱであるが。
気取りすぎてもいけない。だけど、素っ気なくてもつまらない。
チーズをうまく見せる方法のヒントにでもなれば、と考えている。

さて、今回は、チーズの分類である。
チーズの分類方法は、沢山ある。例えば、固さによるもの、それに近いが、水分含有量によるもの、脂肪含有量によるもの、大きさ、形、原乳の種類、熟成方法等など・・・
チーズプロフェショナル協会では、ナチュラルチーズを以下の様な6タイプに分類している。

  1. フレッシュタイプ
  2. パスタ・フィラータタイプ
  3. ソフトタイプ
  4. 青カビタイプ
  5. 非加熱圧搾タイプ
  6. 加熱圧搾タイプ

これは、製法と熟成方法を関連させた分類になるだろう。

カイエ(カード)製造方法による分類だと、以下のようになる。

  1. Lactique(ラクティック):乳酸菌優位法で乳酸菌を主に使い、プレジュールは補助              
  2. Mix(ミックス):乳酸菌もプレジュールも両方働かせる
  3. Présure(プレジュール):プレジュール(=レンネット)優位方法で乳酸菌も使用するがプレジュールを主に使用する方法
乳酸菌とプレジュールは必需品。両方を使用して、ヨーロッパタイプのチーズが出来る。
このように、カイエで分類すると、チーズは3種類に分けられる。
Lactique、Mix、Présure(プレジュールはレンネットの事)。
これは、生地をどのように作っているかを示している。
乳酸菌の種類、プレジュールの量、pHなど、色々な要素によって、出来上がるカイエの状態が決まる。出来上がったカイエは微調整こそ効くが、性質は、変えられないのだ。
だからチーズの性質は、ここで決まってしまう。
したがって、プレジュールを投入する時期と量が一番重要なのである。
カイエが確定すると、次にチーズに個性を与える工程が施される。
カイエの切断方法、どのぐらいの大きさに切るか、熱を加えるか否か、型の大きさや、プレスするかしないか、また、お湯で練る、乾燥工程を行う、など。
だから、"カイエの性質+チーズに個性を与える方法"によって分類するのがいいのかもしれない。これに"fromage fondu"=プロセスチーズを加えると、チーズの分類が出来上がる。
プロセスチーズは、チーズの加工品だが、乳文化のない国では主流である。
筆者が小さい頃は、チーズと云えば、プロセスチーズだった。
チーズ好きにとって、今は、いい時代だなあとつくづく思う。
真ん中の陶器入りチーズから時計回りに
サン・マルスラン、アボンドンス、ポン・レヴェク、フルム・ダンベール、ピコドン

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