2014年3月14日金曜日

チーズの思ひ出(une mémoire des fromages)

筆者が子供の頃、チーズと云えば、雪印の1/2ポンドのブロックチーズだった。
6Pチーズもあったと思うが、あまり覚えていない。父親がつまみで食べていたのを貰ったのを記憶しているだけだ。

子供の頃から乳製品が好きで、おやつはチーズと牛乳だった。当時の牛乳は、低温殺菌で瓶入りの180ccのもの。蓋も厚紙で、ふたを開ける専用の器具もあった。
チーズは、チーズ用のナイフ、あの、切ると切り口が波形になるもので切っていた記憶がある。雪印のチーズもゴーダタイプ、チェダータイプがあった。筆者は赤いチェダータイプより、白っぽいゴーダタイプが好みだった。

このへんが、筆者のチーズ遍歴?の始まりかもしれない。

チーズショップに勤めていた頃のある日のチーズプラトー。いろいろ食べられて、天国でしたね。
次にインパクトがあったのは、20歳頃だろうか。
貰い物の乳製品詰め合わせに、シュプレムという、白カビチーズが入っていた事だ。
こんなに美味しいものがあるかと思った。しかし、そこらへんでは売っていないので、そのままになってしまった。

決定的になったのは、30歳ごろ。
友人が自作のケーキとなぜかドイツワインのカッツ(猫のラベルの甘口ワイン)を持ってきてくれた事だ。
このワインが気に入って、買いに行き、忘れもしない、自由が丘のピーコックでカンボゾラを見つけたのだ。
何の気なしに、同じドイツ産だから一緒に食べてみようと思った。シュプレムの事も忘れていなかったし。

これが、はまった。

今考えると、結構恐ろしい。
シュプレムも、カッツもカロリーが高くて、太りましたな、あの頃。
そのうち、食事と一緒に甘口ワインを飲むのに飽きて、白の辛口に移行。
シャブリに凝りましたな。
それにあわせて、チーズも色々と買うようになった。
幸か不幸か、当時は自由が丘近辺に住んでいて、紀伊国屋の等々力店、麻布マーケット系のスーパー田園が近所にあって、いろいろ買えた。

そのうち、デパートに行くと、チーズ売り場を覗くようになった。よく買っていたのは、新宿の伊勢丹と横浜のそごう。後に働く事になるなんぞ、つゆとも思わないで。
この頃気に入っていたのは、フルム・ダンベール。なかなか売ってなくて、見つけたら即買い、だった。

買ったチーズの包み紙をノートに貼付けて、買った所と値段、感想を書くようになったのもこの頃。残念な事にこのノートは包み紙についていたチーズのかけらに虫がわいてしまい、泣く泣く捨てた。
でも、いろんなチーズを覚えられてこのノートに感謝している。

そのあと、今はなき、チーズ&ワインアカデミーで勉強を始め、チーズの会社の求人に採用されてチーズと縁が切れなくなった。
チーズのラベルが読みたくてフランス語の勉強を始め、いつかはフランスへ行こうと思っていたけれど、踏ん切りがつかなくて、実行までに時間がかかってしまった。

1年ほどフランスに滞在してチーズ屋さん巡りでもしようと考えていた所、チーズの学校を発見。始めは、日本みたいにチーズの食べ方とかウンチクの学校かと思ったら、さにあらず。製造の学校だった。

研修をしていた、ブルゴーニュのリセの丘から、向かい側の丘を望む。

9月のシャルドネ。

フランスには、ENILという、乳製品の学校が6校ある。
そのうち、講座の都合で、4校に通うことができ、1校は泊まりがけの見学ができたことは、ラッキーだったと思っている。
地方によって、中心になるチーズが全然違うので、いろいろ勉強できたからだ。

二作目のチーズ。ただいま熟成中。

日本に帰ってきて、ようやく自分のチーズを作る活動に身を投じる事が出来そうだ。
まだまだ計画の段階だけれど、うまくいく事を信じている。
最終目標は、ENILのような、乳製品の学校。
生きているうちに、出来るかしらん???

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