2014年5月23日金曜日

チーズの保存

チーズの保存は、筆者もいろいろ失敗している。
十数年前になるが、フランスで買ってきた、サント・モール・ド・トゥーレーヌ。
他にもいろいろ買ったので、食べるのが最後になってしまった。
保存には、割と無頓着だったので、買ってきたまま、冷蔵庫に入れておいた。
開けてみたら、あっと驚くタメゴロー(古い!)。
なんだか、「ウニ」みたいに、灰色のカビが生えてましたな。

チーズと言えば、カビ!なんて思っていた筆者。
そのまま食べてみた。
見事に「アタリ」ましたね。

その後、捨てるのはシャクにさわるので、カビを取って食べてみた。
「アタリ」ませんでしたな。
教訓その一。
よくわからないカビは、取って食べる。

他にもいろいろ失敗談はあるのだが(だいたいは、「アタル」)、一般的に、アタラなくてすむように、そして、おいしいチーズを食べられるように、保存法について考えてみた結果、こんな風な結論に達した。

パリのモノプリというスーパーのプライベート・ブランドのサント・モール・ド・トゥーレーヌ。このパッケージは、チーズ屋さん勤務時代に、使わせてもらった。なかなかいいパッケージである。


これも、同じモノプリブランド。残念ながら、ヴァランセの農家製は、
大きくてこのパッケージには入らなかった。 

チーズを保存する場合、柔らかいチーズの場合は、熟成の状態と同じ、固いチーズの場合は、ストック(le stokage)と同じ状態であればいい。

例えば、白カビなどの柔らかいものは、温度が8〜10℃、湿度85〜90%が理想的。
しかし、普通の冷蔵庫だと、温度が5℃、湿度は低め。
こうなると、チーズは乾燥し、うまく熟成の続きをする事が出来ない。
筆者は、タッパーの隅に、濡れたティッシュを丸めて置いて、チーズを入れて蓋をし、冷蔵庫の野菜室に入れていた。

もっと簡単に、ビニール袋にチーズをパッケージごと入れて(カマンベールなどの場合)、濡れティッシュを一緒に入れておいて、口を縛っただけのこともあった(ジップロックが便利)。
これ、以外に簡単で、有効である。

カマンベールのように、紙に包んであるものは、紙にたくさんの穴があいていて、チーズが呼吸できるようになっている。
そして、経木の箱も湿度のやり取りに有効だ。
それを生かして、パッケージのままの保存がよい。

ウォッシュなどもパッケージを生かすといい。
湿度の調節は難しいが、濡れティッシュを使うとけっこううまくいく。

日本で買った、マンステール。保存するときは、この紙に包んだまま、湿度と温度を調節すればいい。

ブルーは、逆に温度が低くてもいい。
湿度もカマンベールタイプより、おおまかでかまわない。
ただし、水気が多く出るので、濡れティッシュはいらない。
チーズの色が変色しやすいので、ラップではなくて、アルミホイルで包んだ方がいい。
筆者はブルーなら、アルミホイルで包んで、ビニール袋に入れて、野菜室にいれる。

セミハードと呼ぶ、PPNCは、アルミホイルで包んで、ジップロックに入れて野菜室。
ハードである、PPCは、ストック状態であればいいので、4℃でも大丈夫。
だから、アルミホイルで包んで、ビニール袋に入れて、冷蔵室。

ここで、一つ、重要事項。
真空パックになっているものは、買って帰ったら、すぐに解放してやること。

ブルーやPPNC、PPCは、真空パックで売っているものがある。
PPNCとPPCの場合は、水分が出て、固くなってしまう。
ブルーの場合は、水気も出るし、カビの色が変わる。カビは、酸素がないと繁殖できないので、窒息状態になっているのである。
すぐにパックから出して、水気を拭き、アルミホイルで包んでビニール袋に入れると復活する。真空パックの時に、緑色だったカビが、青くなっているのに、おお!という感じである。

なぜ、アルミホイルかというと、チーズに匂いがつかないのと、光を遮断するからである。
日本のラップは、よくくっつくのでいいのだが、臭いもよくついてしまう。
羊のチーズなんぞラップで包むと最悪である。
ラップ臭というものがつきますな。
フランスで働いていた時に使っていたラップは、臭いのつかないものだったが、日本にもあるのだろうか。

普通の冷蔵庫で保存する場合を書いたが、もし、チーズだけを保存したいのなら、「保冷箱」がいい。
筆者も使っているが、ペットボトルなどを保温するために、温度が5〜15℃に設定できる保冷箱がある。
それが、熟成庫として使えるのだ。

湿度を保つために砂利を濡らして入れているが、これが結構難しい。
場所によって、ばらつきが出るからである。
しかし、なかなかよい代物である。

チーズは、買ってきたらすぐ食べた方が美味しい。
でも、残ったら、こんな風に保存しておくといい。
それでも残ったら、料理に使って、食べきってほしいと切に思うのである。

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