2014年2月17日月曜日

チーズを作る:ラクティック(Lactique dominant)実践編

家の台所でチーズを作るのは、大変だ。
理由は、まず、設備がないから、代用器具をどうするか。
次に、何を原料とするか、である。
農家で作っていた時には、設備も原料もそろっていたから、難しくない。
しかし、農場でもないここで、チーズを作るのは骨が折れた。
結論から言うと、なんとかチーズを作る事が出来て、現在熟成中である。
型から出したところ。柔らかくて、崩れそう。

まず始めに、Le levain(ルヴァン:チーズ種のこと。英語だとスターター)を作るところから始めた。無殺菌乳が手に入らないので、低温殺菌乳で代用する。
いろいろ問題があったのだが、専門的になるので、ここでは省く。
とりあえず、ルヴァンが出来たので、低温殺菌牛乳にプレジュールと一緒に加えて24時間。
なんとか、固まった。
鍋で作ったカイエ。

しかし、思ったより、かなり柔らかいカイエになった。
原乳の組成の違い(山羊乳と牛乳)とおそらく室温の違い。
22℃くらいに保ちたかったが、夜間に18℃以下に下がっていた。
もう少し時間をかければよかったのかもしれない。
ルーシュの代わりにスプーンで型入れ。

柔らかいカイエ。型詰め完了。

その後、24時間かけて脱水。
間に一回、反転作業。
うまくチーズの形になった。
反転した後。

しかしこの後が大変だった。
全部で6個出来たのだが、型から出したチーズを反転するとき、チーズを乗せる金網が不足していたので、手でやったところ、2個崩れてしまった。
残りの4個中、一つは、半分崩れてしまい、後の二つは割れてしまったので、まともなのは、たった1個。やれやれ・・・

考えて、機材をそろえたつもりでも、不足があるものですな。
次に作るときは、完璧に機材をそろえる事が出来るので、失敗は成功のもと(言い訳か?)。
使いにくかった機材を変えて、また作るつもりである。
なにせ、家族が期待しているらしい・・・

崩れてしまったチーズは、もったいないのでタルトを作るつもりである。
次回、ご紹介しようと考えている。

もし、ご家庭でチーズを作ってみたいと考えている方がいらっしゃったら、筆者に問い合わせてもらってもいいが、市販の本も2冊ほどある。
一つは「チーズ工房」株式会社平凡社 
もう一つは、「キッチンで始める本格チーズ造り」アールアイシー出版株式会社(この本は、英語の本の翻訳である)
参考になると思う。

家庭でのチーズ造りで難しいのは、温度管理だろう。
パンだって、発酵温度を調節するのは、家庭では難しい。
特に、天然酵母のパンは、夏はパン種がだれてしまって、作りにくい。

熟成は、1か月ほどかかるから、その頃お披露目できたら、と考えている。
乞うご期待?

3 件のコメント:

  1. 初めまして!ちょくちょく覗かせてもらっています。
    キッチンでのチーズ作り始めてみた者なんですが、道具の代用品を用意するのが
    えらい大変ですね~…
    プレジュール、チーズカビなど集めて試しに市販の低温殺菌乳を凝乳して
    チーズの熟成に挑戦しましたが、カビが生える前に痛み酸っぱくなってしまいましたね…(イマイチ原因が分かりません)

    ネットで色々調べてますがチーズ作りの失敗パターンってあまり載ってなくて、、Kazukoさんが経験した失敗パターンとかあればお聞かせ願いませんでしょうか…?
    とくに傷んでしまったチーズと上手く熟成できているチーズの見分け方などあれば…

    返信削除
  2. 初めまして!ちょくちょく覗かせてもらっています。
    キッチンでのチーズ作り始めてみた者なんですが、道具の代用品を用意するのが
    えらい大変ですね~…
    プレジュール、チーズカビなど集めて試しに市販の低温殺菌乳を凝乳して
    チーズの熟成に挑戦しましたが、カビが生える前に痛み酸っぱくなってしまいましたね…(イマイチ原因が分かりません)

    ネットで色々調べてますがチーズ作りの失敗パターンってあまり載ってなくて、、Kazukoさんが経験した失敗パターンとかあればお聞かせ願いませんでしょうか…?
    とくに傷んでしまったチーズと上手く熟成できているチーズの見分け方などあれば…

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    返信
    1. こんにちは。
      コメントをありがとうございます。

      どんな風にチーズを製造なさったのかわからないのでなんとも言えませんが、柔らかいタイプのチーズは、最初にpHがすごく落ちます。
      4,3くらいまで落ちても、普通ですよ。
      その後、酵母が乳酸を分解してpHを上げ、その後Géoが働いてさらにpHを上げ、その後に白カビが繁殖します。リネンスなどは、pHが高い方が繁殖するので、一番後です。
      だから、失敗ではなくて、熟成途中なのでは?と思います。

      私の失敗は、山のようにあります。
      最初は、「固まらない」。
      次は、「型入れできないくらい柔らかいカイエになってしまう」。
      さらに、「水切れが悪くて、型から出せない」。
      ここまでは、カイエの異常。

      熟成の異常もあります。
      これは、défaut(欠陥)になり、形はできているのだけれど、味や見た目、においなどが悪くなることを言います。
      一番多いのは、水分がうまく抜けないこと。
      これによって、苦くなったり、Géoが生え過ぎて、見かけが悪くなったり、カビがたくさん生えたりします。

      チーズの欠陥も、いろいろとまとめてみたいのですが、忙しくて今は少し難しいかな。

      熟成庫はどうしていますか?
      私は、熟成庫として保冷庫を使っていましたが、冷蔵庫の野菜室に大きめのタッパーを入れて、中に金網を敷き、湿度を保つために紙などを濡らして入れてもいいですよ。ただ、冷蔵庫はカビの巣なので、変なカビが生えやすくなりますが・・・

      成功しそうな雰囲気なので、このまま続けてみてくださいね!

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